シラカシ |
学名 | Quercus myrsinaefolia |
別名 | クロガシ | |
白樫 | 分類 | ブナ科コナラ属 (常緑高木) |
材が、アカガシに比べ、淡い色のため、あるいは葉の裏が、白っぽいための名。別名は、樹皮の色が黒っぽいからとか。 | 原産・分布 | 本州(福島県以西)、四国、九州、済州島、中国中南部、 |
神奈川県 | 丹沢・箱根の上部(ブナ帯)を除き、広く分布する。 | |
用途 | 庭木、公園・街路樹、器具・機械・土木・楽器・船舶・建築材 | |
山野に普通に自生する。暖温帯の潜在植生であり、丹沢、箱根や小仏山地の低山には普通にある。 | 樹 山梨県 上野原市 秋山 110519 |
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神奈川では、庭木、公園、街路樹としても多い。強い剪定にも耐え、日影にも強いのでよく利用されている。 樹皮は灰黒色。別名のクロガシはこの樹皮の色から。皮目が縦に並び、細かい縦縞がある。庭木などは、表面がザラザラになる(アブラムシがついている)ことが多い。 |
幹 横浜市 港北区 (植栽) 0201 |
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材は名前の由来のとおり白味の強い淡褐色。江戸時代には、槍の柄に一番として用いられた。硬く粘り強く重量もある。 シラカシの材は室内で保管、利用する場合には丈夫で長持ちするが、屋外で杭や土留めなどに利用すると、意外と早く腐朽してしまう。色白故、心材に防腐成分を蓄積していないのではないかと思う。→「切り株を見るのも面白い」 |
材 千葉市 小倉の森 140301 |
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葉は互生し、狭長楕円形。縁は上部に鋸歯がある。葉の裏は、白みを帯びるため、シラカシの名が付いたとも言われる。 若葉は、下の写真のように褐色、あるいは紫褐色を帯びる。 ★食★ムラサキシジミ |
葉 横浜市 港北区 (植採) 0201 |
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雌雄同株。雌雄異花。 葉の下に穂状に雄花が付く。雌花は枝の先(写真右)に付くが、目立たない。 |
花 横浜市 港北区 050510 |
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堅果は秋に熟す。総苞(帽子)は半球形で、横輪がある。 タンニンを多く含むためそのままでは食べられない。貯食の習性のある動物は、土に埋めることで渋抜きをしているとされる。同時にシラカシとしては、種子散布の機会を得ている。貯食散布と呼ばれる。 ★食★カケス、リス、アカネズミ、ヒメネズミなど |
実 丹沢 丹沢湖 041016 |
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関東南部の潜在植生であり極相種である。鬱蒼とした暗い林の中でも芽を出し、ゆっくりと成長する陰性植物である。 双子葉植物ではあるが子葉(双葉)は通常見えない。地下子葉性と呼ばれ、子葉には豊富な栄養を蓄えているが葉緑素を持たない。 |
実生 横浜市 四季の森公園 140106 |