クヌギ |
学名 | Quercus acutissima |
別名 | ツルバミ(橡)、クノギ 櫟(中)、柞(中) |
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櫟、柞、橡 | 分類 | ブナ科コナラ属 (落葉高木) |
古くから役にたつ木とされ、語源も説が多い。食の木(クノキ)、薪の木(クノキ)、栗似木(クリニキ)、国の木(クニノキ)、木の木(クノキ)などからの転とされる。 | 原産・分布 | 本州(岩手県以南)、四国、九州、沖縄、東アジア(中国〜ヒマラヤ) |
神奈川県 | 全域に分布する。丹沢、箱根の上部を除きごく普通。 | |
用途 | 公園樹、器具・船舶材、薪炭材、シイタケの原木 | |
暖地の山林に普通に生える。関東地方では、ケヤキと並んで景観を作る要素で、コナラと合わせて重要な薪炭材だった。 幹は直立し、高さは15mになる。 雑木林の中では黒っぽい樹皮に見える。写真手前右側の木がクヌギ。中央の白い幹はイヌシデ。左奥がコナラ。 |
雑木林 千葉市 若葉区 小倉の森 160607 |
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樹皮は灰褐色で、やや深めに不揃いに割れる。深い割れ目の底が、褐色に見える。 ★食★シロスジカミキリ、ミヤマカミキリなど ★樹液★オオムラサキ、ゴマダラチョウ、キタテハ、カブトムシ |
幹 横浜市 大倉山公園 0202 |
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葉は互生し、葉身は長楕円状披針形で鋭尖頭。縁には針状の鋸歯がある。 クリの葉とよく似ている。クヌギは、裏面主脈上はほとんど無毛、鋸歯の先が黄褐色(クリは有毛、緑色)なので区別できる。 ★食★アカシジミ、ウラナミアカシジミ |
葉 厚木市 七沢森林公園 080530 |
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雌雄同株、雌雄異花。風媒花。 4〜5月に、葉の展開と合わせて花が咲く。新枝の下部からは、穂状の雄花序が多数垂れ下がる。 コナラよりボリュームがある。 |
雄花 横浜市 港北区 040411 |
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雌花は、新枝の上部の葉腋に1〜3個付く。小さく目立たない。 | 雌花 藤沢市 六会 080411 |
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果実は、堅果(いわゆるドングリ)で、翌年の秋に熟す。直径2cmと大型で、下半分はお椀型の殻斗に包まれる。 大型のドングリのため、狩猟・採取の時代にはクリやトチノキと並び重要な食料だった。人との関係は長いと言える。→こぼれ話し「虫歯」 この実の殻斗や樹皮の煮汁は、染料に使われた。灰汁を媒染剤にすると、ツルバミ色が出る。 ★食★オシドリ、オナガ、カケス、カラス、キジ、キジバト、コガモ、マガモ、ヤマドリ |
実 藤沢市 六会 051010 |
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秋には黄葉するが、枯色の茶色に近いため、あまり綺麗ではない。 | 樹(黄葉) 横浜市 港北区 0112 |
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一年枝はやや細く、淡褐色〜褐色で白い皮目が散生する。 冬芽は、先端に頂芽の他に1〜2個の側芽が付く。やや細長く、栗褐色で、灰白色の毛がある。芽鱗が多く、5列に並ぶので、断面は5角形となる。5角形はコナラ属の特徴。 |
冬芽 千葉県 上総湊 060205 |
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ドングリを形作っていた子葉は地下にある地下子葉性。上胚軸、初めの本葉は細く、細かい毛に覆われっている。 | 実生 東京都 海の森公園 180414 |