ミズナラ

学名 Quercus mongoloca var. grosseseratta
別名 オオナラ
水楢 分類 ブナ科コナラ属 (落葉高木)
材に水分が多く、燃えにくいことから。「ナラ」についてはコナラを参照。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州、アジア北東部
神奈川県 丹沢・箱根・小仏山地のブナ帯下部に普通に見られる。
用途 建築・器具・船舶・樽材、キノコの原木
山地に普通に生え、混交林または純林を作る。大きいものは高さが30m以上になる。ブナイヌブナと同じような分布を示す。
写真は管理された草原に育った樹。周りに競争相手がいないとこんなに綺麗な形になる。


栃木県
日光市

150530
ミズナラ樹
樹皮は灰褐色で、縦に不規則な裂け目がある。薄片状のものが重なっていて、剥がれる。
材は堅く、やや赤みを帯びた淡褐色で、磨くと美しい艶が出る。ヨーロッパでは、コナラ属をオークと呼び、良質の建築材とした。ミズナラは、欧州オークより良質で、かつては輸出された。


箱根町
湖尻
030803
ミズナラ幹
葉は互生し、やや枝の先に集まる。葉身は倒卵状長楕円形、基部はくさび形に狭くなり、葉柄は無いか、ごく短いのがミズナラの特徴。縁には大型の鋸歯がある。表面は無毛、裏面は葉脈上に短毛が散生する。

箱根町
湖尻
030803
ミズナラ葉
雌雄同株雌雄異花
雄花序は新しい枝の下部の葉腋から数個下垂する。
雄花

群馬県
みなかみ町赤谷
130602
雌花序は新枝の上部の葉腋につき、1〜3個の小さな花を出す。。 雌花

群馬県
みなかみ町赤谷
130602
堅果は、やや大きめの卵状楕円形。殻斗は、総苞片が瓦状に並ぶ。
ミズナラの実は、タンニンが含まれていて毒性(渋み)が強い。
種子散布は、野ネズミ、リスなどの動物や鳥による貯食型散布とされる。タンニンが多いことも動物が貯食をする理由と考えられる。
また、大型の哺乳動物の冬に備えた餌にもなる。クマ棚が作られる木の一つ。
若実

群馬県
みなかみ町赤谷
071006
ミズナラ実
コナラ属のドングリは落果するとすぐに根を伸ばし、地上部が出ないまま冬を越す。他の植物に先立って翌春の成長を始めるためとされている。
根を出せる環境になく、そのまま乾燥すると枯死する。年を越したドングリを春に播種しても芽が出ない。
種子

群馬県
みなかみ町赤谷
071103
春には芽が出て葉を開くが、いわゆる双葉を見ることはできない。すぐに大きな本葉が展開される。
大きな双葉(子葉)に詰まった栄養で実生が育つので、双葉が地上に出て光合成をする必要がない。地下子葉性と呼ばれる。
芽生え

050511
枝先に数個集まる点など、コナラの冬芽に似るが、やや大きく、色はコナラより薄い。芽鱗は5列に並ぶため、5陵あり、断面は五角形になる。
若枝は淡褐紫色で、コナラより太い。縦に溝があり、皮目が多く、上皮が薄くはげ落ちる。
冬芽

丹沢
唐沢峠
060129
ミズナラ冬芽
ナラハグキコブフシと思われる。
タマバチよって作られる虫こぶで、ミズナラの他にもコナラやカシワなど、ナラ類の葉柄部にコブ状に発達する。コブ部は木質で堅く、紡錘状の不整形になる。
虫こぶ

丹沢
熊笹の峰
070603
ミズナラ葉虫コブ
オトシブミのひとつ。ハイイロチョッキリによる揺籃。殻斗の上から穴を空け、ドングリの中に産卵する。穴は塞いである。実のついた枝ごと切り落とすので分かりやすい。コナラやクヌギにも産卵する。 揺籃

丹沢
中川東沢
090817
ミズナラ実揺籃
ミズナラと言えばマイタケ。ミズナラの巨木の下に、大量のマイタケを発見。マイタケは、数年ごとに発生すると言われる。

全体量(板は畳大)
マイタケ

群馬県
みなかみ町赤谷
071007
ミズナラマイタケ

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