ナルコユリ |
学名 | Polygonatum falcatum |
別名 | ||
鳴子百合 | 分類 | ユリ科アマドコロ属 (多年草) |
たくさんの花が並んで下垂して咲く様子を鳴子に例えた名。 | APG分類 | キジカクシ科アマドコロ属 (多年草) |
原産・分布 | 北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中国。 | |
神奈川県 | 全域の丘陵から山麓に見られる。草地や明るい林内に生える。 | |
花の時期 | 5月〜6月 |
茎は50〜80cmになる。上部は弓状に曲がり、水平に近くなるものもある。
茎の断面は丸く、よく似た仲間のアマドコロと異なり稜は無い。
★薬効★滋養、強壮、食欲不振、咳
生薬名は「黄精(おうせい)」。
根茎を採取、日干しにしたもの。成分は多糖類およびベンゾキノン。民間薬として売られていた他に、岩手県では銘菓「黄精飴」の材料にも用いられている。
上野原市秋山 140609
葉は互生し、狭披針形でアマドコロより細長い。
葉柄は無い。
上野原市秋山 230531
葉の裏は白みがかる。葉脈が凸状になるが3本が特に目立つ。脈上に小さな突起があるためザラザラ感がある。
上野原市秋山 230531
名前の元になった、並んで葉腋から下垂する花。
成熟した個体だと1花序に通常1〜6個の花がつくのでアマドコロとは区別できる。
花言葉「懐かしい音、元気を出して、あなたを偽れない、小さな思い出、心の痛みの分かる人」など、長い言葉が多い。
上野原市秋山 140609
個々の花は約2cmの筒状で緑白色。先端の緑が濃くなるグラデーションで綺麗。
上野原市秋山 230531
花被片は、萼と花弁が3個づつだが一体化している。開花すると先端が6裂する。雄しべは6個、雌しべは1個で花柱が突き出る。
上野原市秋山 230531
果実は液果で直径1cm弱。黒く熟す。
群馬県みなかみ町赤谷 111105
1つの果実に複数個の種子が入る。種子は3〜4mmの扁平な球形で、表面はつやがある。
上野原市秋山 240120
芽生え。アマドコロとはよく似ている。
食用などで芽を摘むと、その年は新しい芽を出さないが、翌年に地下の塊茎から新しい芽を出す。毎年芽を摘むと塊茎も枯れてしまう。
★食★もう少し伸びた状態で利用する。
柔らかくアクやクセが全くない。おひたしや汁の具などに最適。
上野原市秋山 140415
実生で1〜2年の葉。1枚の葉で光合成をおこない成長する。
ユリの仲間の若年時の葉はみな同じに見える。
千葉市若葉区小倉 150416
若い個体。すでに葉の特徴がよく分かる。
葉身は狭長楕円形あるいは狭披針形で、縦方向に白みを帯びた縞模様がはいる。
上野原市秋山 140519
実生から5年以上経過し花が咲く株の塊茎。
毎年、左方向に養分を蓄えながら地下茎が成長した。毎年の茎の跡が残る。
★食★根は薄くスライスしてサラダの具として、酢の物など生で食べられる。すりおろすと粘りが出るのでとろろ汁など。ただし食べられるサイズになるには10年以上かかる。
上野原市秋山 230531
若い個体の塊茎。まだ小さいので1枚の葉しか出さないが、塊茎上に2つの芽が生じてしまった。
上野原市秋山 230531