ヤブツバキ |
学名 | Camellia japonica. |
別名 | ツバキ、ヤマツバキ 山茶、海石榴(中)、Camellia(英) |
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藪椿 | 分類 | ツバキ科ツバキ属 (常緑高木) |
厚葉木(アツバキ)あるいは、艶葉木(ツヤバキ)から変化した名。本来、野生のものをツバキと呼び、ヤブを付ける必要はない、と言う説もあり。 | 原産・分布 | 本州、四国、九州、沖縄。朝鮮南部。中国には別種が自生する。 |
神奈川県 | シイ、カシ帯に広く分布 | |
用途 | 庭木、公園樹、器具、彫刻、実から椿油 | |
太平洋側に分布する。日本海側の分布は亜種のユキツバキ。自生の北限は、青森県東津軽郡平内町で、そこの群落は天然記念物に指定されている。 沿海地に多く自生するが、山地にもある。酸性、アルカリ性に耐えてよく生育する。高さは10〜15mになる。 |
樹 横浜市 港北区 070108 |
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各地に残る老木は100年を超えるものが多い。写真のツバキも400年とされるが、半分枯れてしまった。 西欧にも伝わり、18世紀末頃より、常緑の樹としてもてはやされ、実生による園芸品種が多数作られている。アレクサンドル・デュマの名作「椿姫」(1848)は、この頃の作品。 学名は宣教師カメりによりヨーロッパにもたらされたため、とする説が有名。 |
大木 東京都 八王子市 保井寺 060428 |
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樹皮は灰白色でやや平滑。小瘤状の皮目が多く、ときに微細なしわがある。生育が遅いため、材は詰まって強く堅く、磨けば光沢が出る。 | 幹 神奈川県 二宮町050123 |
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葉は互生、葉身は長卵形で厚くて革質、硬い。表面は光沢があり、裏面は淡緑色。主脈は凹み、側脈はあまり目立たない。縁には細かい鋸歯がある。 表面の光沢は、典型的な照葉樹で、厚いクチクラ層によるもの。海岸での潮風や直射日光などから葉身を守っている。 ★食★チャドクガ |
葉 神奈川県 二宮町040410 |
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5月ころに芽が伸び新しい葉が展葉する。まだ瑞々しく透明感がある。 | 新葉 横浜市 港北区 060519 |
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2〜4月に、枝先に赤色の花が1個ずつ付く。園芸品種で白花もある。下向きに咲くため、葉の陰になりやすい。サザンカは上向きに咲く。 花弁は5枚で厚く、平開しない。雄しべは多数あり、下半部が合着して筒状になる。さらに基部は花弁と合着しているため、花弁は散らず、花全体が一緒に落花する。 |
花 神奈川県二宮町 040410 |
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雄しべの筒の内側には、多量の蜜がある。早春の、まだ虫が少ない季節に咲くツバキは、メジロ、ヒヨドリなどの鳥が花粉を運ぶ。鳥は、この筒の中に顔を突っ込んで蜜を吸う。 ★食★ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ |
花 神奈川県二宮町 040410 |
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刮ハは3〜5cmの球形で、熟すと3裂して、暗褐色の種子を2〜3個出す。写真はまだ若い。厚い果皮も茶褐色になる。 この種子から椿油を採る。 |
実 横浜市 港北区 (植栽) 060920 |
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刮ハは3〜5cmの球形で、熟すと3裂して、暗褐色の種子を2〜3個出す。写真はまだ若い。厚い果皮も茶褐色になる。 この種子から椿油を採る。 |
冬芽 横浜市 港北区 (植栽) 171230 |