コブシ

学名 Magnolia kobus
別名 ヤマアララギ、コブシハジカミ、タウチザクラ(東北地方)、イモウエバナ
辛夷 分類 モクレン科モクレン属 (落葉高木)
集合果がこぶ状で、拳に似ているため。「辛夷」の漢字は、モクレンの中国名。本来は、「拳」の漢字を当てるべき。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州、朝鮮(済州島)
神奈川県 ブナ帯を除き、山地や丘陵地の落葉樹林内に生育する。
用途 庭木、公園樹、建築・家具・器具・楽器材
早春の山野で咲き、遠くから目立つため、日本の各地で農家の春の作業の目安とされた。地方名にはそれを由来とする名前が多い。
黒姫山の麓の田園では、5月の連休は、田起しと水張りをやっていた。広がる田園風景の中に、点々と白いコブシの樹が立っていた。


長野県
黒姫
050503
コブシ樹
樹皮は灰白色で滑らか。皮目と縦皺が細かくある。
材は軽軟できめ細かく美しいため器具材に使われる。


横浜市
港北区
篠原園地
080213
花は両性花
東京では3月に開花する。展葉の前に、枝先に芳香のある白い花が開く。花弁は6枚で、基部は紅色を帯びる。萼片は3枚で小さく、外側に軟毛を密生させる。早落性。
花の下に、葉が1枚つくのがコブシの特徴。
★薬効★頭痛、歯痛、鼻疾患。生薬名は辛夷(しんい)。開花直前の蕾を干したもの)。漢方では芳香薬として用いる。
送粉 虫媒
花言葉「友情、信頼、歓迎、愛らしさ」などいろいろある。


品川区
林試の森
050325
コブシ花
葉は、互生する。葉身は広倒卵形で表面は無毛、裏面は脈上に微毛がある。縁は波状、あるいは全縁。 葉・若実

横浜市
都筑区
030704
コブシ葉
実は袋果が不規則に合わさった集合果。果皮は無毛。熟すに従い、種子が膨らむと、不規則なコブ状になる(上写真)。
9〜10月に熟すに従い心皮が裂開し、中から赤色の種子が顔を出す。この種子は、白い糸でつり下がる。


川崎市
高津区
(植栽)
041014
コブシ実
赤色の種皮は肉質で果肉のような印象。種皮を取り除くと黒色の固い種子になる。平べったいハート型というか、そらまめのような形状である。 種子

上野原市
秋山
赤鞍岳
161016
コブシ実
黄葉のきれいな木があった。 紅葉

横浜市
港北区
091130
花芽の芽鱗の毛は立ち、葉芽はねた毛で覆われ伏生する。モクレンの花芽の毛はねるので区別できる。 冬芽(花芽)

横浜市
鶴見区
花木園
050210
コブシ花芽
葉芽の毛は、木により多い少ないがあるようだ。
若枝には、一周する輪(托葉痕)がある。モクレンの仲間の特徴。
葉芽

横浜市
港北区
080227
コブシ葉芽

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