ホオノキ |
学名 | Magnolia hypoleuca |
別名 | ホオガシワ、フーノキ、ホーバ | |
朴の木 | 分類 | モクレン科モクレン属 (落葉高木) |
別名のホオガシワがもとの名。カシワは、食物を盛る大型の葉、炊葉(かしきは)が語源。「ホオ」は、包(ホウ)の意、あるいは中国の厚朴(ホウポ)の音が転じた、との説もあるが不明。 | 原産・分布 | 北海道、本州、四国、九州、中国 |
神奈川県 | 全域で、山地、丘陵地の落葉樹林内に見られる。 | |
用途 | 公園・街路樹、建築・器具・楽器・彫刻・船舶材、下駄の歯、版木 | |
高さ20m以上、直径1mに達するものもある。枝が少なく、まっすぐな樹形となる。 各地の山野に自生し、全体に芳香があり、大きな葉と花、細工がしやすく美しい材など、人の生活の中で広く親しまれてきた。各地の正月や盆の行事の中でも広く登場する。 |
樹 藤沢市 六会 050513 |
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樹皮は灰白色で裂け目は無く、皮目が散生する。 材は柔らかく加工がしやすいため、いろいろと利用される。下駄の歯、版木、刀の鞘などが有名。 ★薬効★咳、痰、胃炎、利尿。生薬名は「厚朴」で、樹皮を日干し乾燥させたもの。中国産と区別して「和厚朴」と呼ぶこともある。成分はアルカロイド、リグナン、精油など。 |
幹 丹沢 塩水川 050515 |
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葉は枝の先に、輪生状に互生する。葉身は倒卵形で非常に大きい。縁は全縁で波状になる。 古来、食品を包むのに使われた。各地に朴葉味噌や朴葉飯、朴葉焼きなどの風習があり、今でも地域の名物となっている。 |
葉 藤沢市 六会 050513 |
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花は両性花。5〜6月頃、枝の先に大きな白い花が上向きに付く。芳香がある。赤味を帯びた萼3枚は、開花後に反り返るか脱落する。花弁は6〜9枚。初めは白色、後に黄変する。直径15cm以上になる花は、山の新緑の中で目立つ。 雄しべ、雌しべは共に花床の上に多数つく。雌性先熟性があり、自家受粉を避ける工夫を見ることができる。 花言葉「誠意ある友情、自然の愛情」 |
花 丹沢 塩水川 050515 |
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集合果は長楕円形。熟すと、多数の袋果の中から、赤い種子が糸で垂れ下がる。 | 実 群馬県 みなかみ町赤谷 071104 |
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赤い仮種皮を取り除いた状態。大きさ形は不揃いだが、中央に窪みがあり、コーヒー豆のような形状。 | 種子 上野原市 秋山 181003 |
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林道脇に綺麗な冬芽の樹があった。 若枝は太く、先の方には、枝をとりまく輪が模様になっている。頂芽は、2枚の托葉(芽鱗)が癒着して、キャップ状になり、毛筆の形。 冬芽や枝を折ると良い香りがする。 |
冬芽 丹沢 不動尻 060129 |
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葉痕は腎形で、オレンジ色から褐色を帯び大きい。ただ維管束痕が小さく、散在しているのでのっぺりした感じがする。 葉痕の最大巾の部分から線が伸びて枝を一周しているのは托葉痕。 皮目は白色で大きく、円形または楕円形で唇のような凸形になる。 |
葉痕 群馬県 みなかみ町赤谷 091206 |
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花序が頂生し、果実が落ちた箇所は大きな痕が残る。新しい枝が果柄のすぐ脇から出て新しい短枝を作り、花を頂生させることを繰り返した枝。樹冠の下の枝なので、日照が少なく衰退している。 | 花柄痕 東京都 調布市 神代植物園 140129 |
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葉は枝の先に集まって展葉するので写真のようになる。薄紅色は托葉でその中心に蕾(萼)が見える。托葉はこのあと直ぐに落ちる。托葉は葉の反対側に付き、その痕は枝を一周する。 枝は2年目以降、短枝になることが多い。写真の枝も昨年の葉痕が密集しており短枝の状態だったことが分かる。 |
春の展葉 上野原市 秋山 150421 |