ハナミズキ

学名 Cornus florida
別名 アメリカヤマボウシ
Flowering Dogwood(英)
花水木 分類 ミズキ科ミズキ属 (落葉小高木)
花がきれいなミズキの意。1912年に、東京がサクラをアメリカに贈ったお礼に送られた。ヤマボウシに似るため、初めにアメリカヤマボウシの名がついた。 原産・分布 北米原産(大正時代の渡来。下欄「こぼれ話」参照)
神奈川県 多く植採されている。 
用途 庭木、街路樹
米国バージニア州、ノースカロライナ州の州花。日本では、はじめは植物園や公園に植えられる程度だったが、最近は庭木や街路樹としても多く植えられている。
一時期アメリカミズキとも呼ばれたそうだ。植木屋でも時としてアメリカハナミズキなどという名で売られているが、これは間違い。


横浜市
港北区
篠原園地
060429
枝は斜上して上に広がる樹形になる。樹皮は灰褐色で、細かくひび割れた模様になる。

横浜市
港北区
180518
ハナミズキ葉
葉は長枝に対生し、短枝に2枚が束生する。卵形または広卵形。縁は全縁。

横浜市
港北区
180518
ハナミズキ葉
4〜5月に花を開く。白い花弁のように見えるのは総苞片。中心にある黄緑色のツブツブの一つ一つが花で、頭状花序を作る。総苞片の先端が凹むのが特徴。仲間のヤマボウシは、先端が尖る。
花言葉「私の思いを受けてください、公平にする、返礼、華やかな恋」など。こぼれ話(下欄)参照。


(不明)
040411
ハナミズキ花
頭状花序の花、一つ一つが結実し、赤い核果となる。
ヤマボウシの実は美味しいが、ハナミズキのそれは不味い。


横浜市
港北区
071001
ハナミズキ樹実
紅葉も美しい。このころ山ではヤマボウシが紅葉している。 紅葉

川崎市
高津区
041103
ハナミズキ紅葉
冬芽は葉芽と花芽がある。葉芽は小さく、2枚の芽燐が向かい合う。
花芽はやや大きく、平たい球形で先が尖る。
冬芽(葉芽)

横浜市
港北区
030420
ハナミズキ冬芽
前年の夏を過ぎると花芽がはっきり分かるようになる。花芽と葉芽が異なる樹木は、春に展葉より先に開花するものが多い。
花の咲く様子を観察するのも面白い。
花芽

立川市
昭和公園
050306
ハナミズキ葉
こぼれ話 「返礼」
花言葉としては、「私の思いを受けてください」「公平にする」「返礼」「華やかな恋」などがある。
日露戦争終結の仲介(ポーツマス条約)をしてくれたお礼として、1912年に当時の東京市長だった尾崎行雄が桜6000本をアメリカに贈った。そのうち約半数の桜はワシントンのポトマック河畔に、日米友好のシンボルとして植えられている。今でも毎年ワシントン・ポトマック桜祭りは、いろいろなイベントをまじえて開催されている。2012年はちょうど100周年記念の年になる。
この桜に対するお礼として、アメリカからは1915年にハナミズキ40本が届けられた。日本にハナミズキが渡来したのはこの時が初めてだった。花言葉の「返礼」はそれにちなんでいるそうだ。このとき贈られた樹は太平洋戦争のさなかに、敵国の贈り物ということもあって、所在が不明となってしまった。その後の個人の調査で東京都立園芸高校、小石川植物園などに現存していることが判明した。友好のシンボルも戦争には振り回されてしまったようだ。写真は小石川植物園のハナミズキ。ただし該当木かどうかは不明。

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